つながってミール ――ランチイベントレポート

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2011年10月15日(土)横浜Applauseに行われた、つながってミール初のたべるとつくるをつなげるランチイベントの様子をレポート。
悪天候の中、一般からは46名にご参加いただき、農家さんは4組(6名)、スタッフも含め総勢73名で行うことができました。コンテンツの中で最も人気があったのは、農家さんの食材を使ったスタッフの工夫盛りだくさんの試食会「たべてミール」です。美味しさを楽しむことはもちろん、普段何気なく食べているたべものへと想いを巡らすことが良い体験になったという声がありました。また「きいてミール」では、つくる現場の知識を学ぶことができました。そして、「はなしてミール」では、実際に「つくる」人と対話することによって、農のことを身近に考えられるきっかけを提供することが出来ました。

ダイジェスト映像



第1部「きいてミール」たべもの民話〜先人から学ぶ食のあり方〜

食にまつわる民話アニメの上映

はじめに先人から学ぶ食のあり方ということで、食材を扱った民話のアニメーション「飯盛山の弁天様」「天狗の鹿笛」「団子どん」の3つを上映しました。昔話も、食という切り口で見てみると、いつもと違った見え方がしたのではないでしょうか。



つながってミール取材班発表
――「つくる人」に聞いてみて発見したこと&「つくる」も「たべる」も楽しむ未来


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きいてミールの後半は、このつながってミールのウェブサイトの取材を行っている、学生を中心とした取材班からのレポートを発表しました。テーマは普段「つくる」に触れていない人にとっては、基本的なことから学べる機会となりました。

Part.1「つくる」人に聞いてみて発見したこと

●食べ物がどこから来るか自分の目で確かめたい:宅配や直売について(山口)
取材をする前は、食に関して全く興味を持っていませんでしたが、原発事故がきっかけで、自分の食べているものを誰が作っているのかに興味を持ちました。取材の中で直売や宅配という形式で野菜を購入できることを初めて知り、生産者についても知ることのできる、素敵な仕組みだと感じました。また、直売や宅配を通じて農家さんとのより直接的・継続的なつながりを作ることができるということも知りました。野菜を買うこと自体が楽しくなるこの仕組みを、自分もこれから利用していきたいと思います。

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●たべものをつくることに関わりたい:農家さんの土づくりについて(平川)
取材に訪れた農家さんで、畑を覆うふわふわの黒土に感動!そこで、農家さんに土づくりの秘訣をたずねると、有機肥料を使っているとのこと。また、有機肥料を使う理由として、自然由来のものを使いたい、ふん、生ごみなどを利用することで、「循環型農業」を実践したい、という思いがあることを知りました。また、単に有機肥料なら何でもいいわけではなく、土の栄養状態を考えて肥料の種類やその量、タイミングを決める必要があることを学びました。土づくりには、農家さんの経験と技がつまっていると感じました。

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●おいしいものをもっと知りたい:旬のたべ方/旬以外のたべ方について(山田)
「おいしいものをもっと知りたい!」という思いで農家に取材をしたところ、農作物の旬について発見がありました。農作物の量と種類が豊かになる旬の時期は、おすそわけや送り合いなどのコミュニケーションが生まれます。また、食卓に野菜が多く上り、食材からたべたい料理を考えるようになります。大根の間引き菜やオクラの花など、農家でしか味わえないものを取材先で頂いたことも、忘れられない体験です。自分から土や畑に近づいていく事で、全く知らなかった美味しさに出会える、という発見がありました。

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●たべものをつくる人の人柄に触れてみたい:農家さんとつながる楽しさ(浅川)
長年農家をやっていても、毎年悪天候など新たな苦労がつきもので、農業とは常に試行錯誤の連続なのだと取材を通して知りました。また、農家さんは、自分たちのたべものが育くまれる場である「土」に一番近い所で、様々な角度から農を深く見つめる実践者だと分かりました。収穫体験などで畑に実際足を運ぶことで、農家さんとより繋がることができます。「畑に来ると、みんなの目が輝く」と取材した農家さんも語られていました。土に触れること、農家さんと繋がることは、なにより楽しいものでした。

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Part.2「つくる」も「たべる」も楽しむ未来

取材班は取材を通して、「農家さんと直接つながること」「畑がそばにある暮らし」の楽しさ、面白さを感じました。
その楽しさ、面白さを分かりやすく伝えるべく、つくる事もたべる事も楽しんでいる少し先の未来の家族の一日を描いたアニメーションを制作しました。

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【ミライ家の食卓〜たべるの向こうに畑が見える〜】
近い未来私たちの食生活は、農家と季節のサイクルに寄り添ったものとなっているかもしれません。野菜はスーパーに買いに行くのではなく自分のお得意農家の畑へ取りに行きます。その日とれたたべもので、今日たべるものを決めます。仕事は週5の会社通いからライフスタイルに併せた無理のないものへ。街には緑が増え再生利用エネルギーが使用できるようになっていることでしょう。そんな、取材を通して生まれた未来のヴィジョンを表現するべく簡易アニメーションを制作、放映しました。アニメーションでは、ミライ家の人々が上記の生活を実践している様子を描きました。


取材班のまとめ

取材班が、4カ月間農家を訪れたのち描いた未来像は、農家さんが選んでくれた野菜を待つ楽しさ、農家さんと直接話す事の楽しさ、土に触れ自分でたべものを作る楽しさのある未来でした。
また、取材班のメンバーも「“たべものをつくること” “たべものをつくるひと”に関わる時間を大切にする生き方」をしていくことになると思います。
今後も取材を続けて行く中で、取材班のメンバーも食農に関して勉強していきたいと思っています。だからこそ、もっと多くの人に一緒に考え、農家さんとつながってみてほしいと思います。


第2部「たべてミール」協力いただいた農家さんの食材をつかった試食会

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まずは、今回来ていただいた農家さんからコメントをいただきました。

●ありがとう畑:福井節子さん、真木美里さん
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畑で出来たものを詰め合わせた宅配という形でやっていますが、これを機につながっていけたらと思っています。

●彩子と源太の畑と田んぼ:斎藤彩子さん、源太さん、梓ちゃん、桂ちゃん 
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田んぼ中心に、自分たちのペースでやっています。東京出身ですが、いい意味で田舎に慣れてしまって、学生さんの発表を聞いて、新しい発見を改めて感じ、農業っていいなあと思い返しました。

●篠宮仁さん
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普段なかなか土に触れ合うことはないと思うけれど、農業体験でみなさんが泥だけらけになりながら、いい汗かいて芋を掘ったり、トウモロコシを楽しそうに収穫しているのを見ていると、農業やっていて良かったなと思います。情報発信は大事なので、みなさんと話す機会はこれからも持ちたいと思います。

●ぴたらファーム:田才泰人さん
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生産者と消費者がつながることは大切です。僕らも野菜をつくって送るだけでなく、暮らしの良さとか、つくることの楽しさも伝えていきたいと思っています。つながってミールを機会につながっていきたいと思います。


いよいよ、メインとも言える「たべてミール」の試食の時間です。

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<「たべてミール」メニュー> by つながってミール料理班
ほぼ、そのまんまジャム3種/ジャガイモの速攻クラッカー/焼きオクラの梅&おかか和え/人参の華やかマリネサラダ/りんごのコンポート&豚ヒレ肉のバルサミコ風味/ジャーマンシュ/秋ラタトゥイユ

準備した試食(シューサンド、ピンチョス、ジャム&クラッカー、玄米にぎり)は、農家さんから直接購入した食材で調理しています。人によってはこれらの食材を作ってくれた人と話しながら、人によっては作った人を紹介した記事を読みながらたべていくことで、毎日と同じ「たべる」でも「つくる」に意識が向くことで生まれてくる心境の変化を感じてほしい。「つくる」に思いを馳せながら「たべる」とき、食材は単なる商品という枠を越えて作品に近い感覚になります。誰がつくったのか気になる、そういう作品と呼べるものに囲まれることこそ、贅沢で豊かなことではないのでしょうか。
もう一つ、このパートで形にしたかったのは、たべること自体を楽しんでほしいということです。何か(たとえばネットサーフィン、打合せ、テレビを見る、等)をしながらたべることが増えている中、たべること自体に意識を集中することで、そもそもたべるとは何のためだったかを感じてほしいと思っています。そのために食材に関する質問を3つ設け、舌で感じられる味わいで材料を当ててもらったり、生き物としての食材の姿を考えてもらいました。

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第3部「はなしてミール」たべるとつくるをテーマとした対話ワークショップ

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第3部は、ファシリテータの兎洞さんによる、「たべる」と「つくる」をテーマにした対話をワールドカフェの手法を使って行いました。農家の方々にも入っていただき、ファシリテータの投げ掛ける問いに、落書きをしながら和やかに対話は進みました。

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<ファシリテータから投げ掛けられた「問い」>
問い1:ゆっくりと振り返ってみると、自分の中で印象に残っている「畑」についての体験や、思い出や、人との出会いは、どのようなものですか?
問い2:わたし自身に耳を澄ましてみると「つくる」から「たべる」について、私の中には、どのような想いや理想の姿がありそうですか?


最後のセッション「やってミール」

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「この対話を通して、何か一歩を踏み出してみたいと思えることはどのようなことですか?」
最後に、つながってミールのイベントを通じて、それぞれが感じたことを「○○ミール!」と宣言の形でシートに書いて持ち帰っていただきました。
参加者の方からは、「農作業体験やってミール!」「顔のみえるたべものを探してミール!」「毎日のごはんをちゃんとつくって感謝してたべてミール!」といった「やってミール」。農家の方からは「たべる方々との対話をもっともっとしゃべってミール」といった「やってミール」が出てきました。



次回に向けて

とにかくやってみよう、ということで開催してみたランチイベントでしたが、参加者の満足度も高く、やはりこういったリアルにつなげる場が重要だということを改めて感じました。参加者からは、美味しく、楽しく、出会い、発見があったので、続けて欲しいという声を多くいただきました。コンテンツとしては「農家の声をもっと聴きたい」「農業体験・料理体験」「野菜を買いたい」といった生の声や実体験を求めるものと、「もっと食べたい」「お酒も飲みたい」のように好評だった料理への追加注文がありました。とはいえ、スタッフや多くの方の協力があって開催にこぎつけているということもあり、より一層基盤を充実させていかねばと思います。
続けるのは大事ということも考えておりますので、今後さらにパワーアップをさせた「つながってミール」を提供していきたいと思いますので、引き続きこちらのサイトやフェイスブックで見守っていただければと思います。
最後になりましたが、ご来場いただいた「たべる」皆様、ご協力いただいた「つくる」方々、どうもありがとうございました。

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文責:松澤 巧

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つながってミールって?

たべるとつくるをつなぐことでホンモノを知り、食と農への関心を深め、行動へとつなぎ、食文化を育んでいくことを目指した、活動です。
食農プロジェクトは、食や農業、そしてソーシャルイノベーションに関心がある社会人・学生の有志が集まって運営しています。

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