九州のつくるとつながってmeal〜ツアーレポート(後篇)
朝ごはんを食べて、さあ出発!
牛乳とチーズと、玉子焼きとサラダ。シンプルだけれども一つ一つに滋味がある、とっても美味しい朝食。元気いっぱいになって、今日の目的地に向かう。
里山の鶏と田んぼ
向かった先は、佐賀県佐賀市三瀬村にある養鶏を営む「旅をする木」。山を登っていき棚田の横を抜けていった先に、そこはあった。農場主である小野寺さんに出迎えていただき、お話を伺う。元々、サラリーマンをしていて九州に移り住み、地域の人と触れ合っていく中で自然とそこでの暮らしに惹かれていったと言う。
鶏舎を見せていただくと、ここも平飼いをしていて鶏たちが元気に動きまわっていた。卵を産むための小部屋があり、そこから顔も覗けるようになっていた。落ち着いて卵を産めるようにということらしい。
そして、卵を見せていただく。とても美しい。添加物や遺伝子組み換えなしの原料を自家配合した餌を与えているという。卵もあえて洗浄せず、元々の生命力を活かした方が長持ちするとのことだった。
田んぼのいきものと戯れる
無農薬の田んぼがあるとのことで、草取りをお手伝いすることに。田んぼに行くと水がすごくクリアで、おたまじゃくしやイモリがたくさんいた。イモリはひっくり返すとお腹が赤く、アカハライモリという種類だそうだ。
小野寺さんに、草取りの作戦を教わる。雑草は水中に生えているので、一本一本抜くのではなく水中の土をかき混ぜることで、浮かせていこうという狙いだ。皆で横並びになって、かき混ぜながら前進していく。裸足で感じる土のぬかるみは、最初は気持ちいいと感じつつも、歩を進めていく度に足取りが文字通り重くなってくる。これは確かに重労働だ。
土をかき混ぜると水中が濁り、何事かとおだまじゃくしたちが逃げ惑っていく。「ごめんね〜」と言いながらも、ちょっと楽しかったりする。振り返ると、濁った水面に根をさらけだした雑草が浮いている。それを見て、多少の達成感を感じる一同であった。
作業を終えてランチを食べた後に、小野寺さんの宿舎を拝見する。仲間たちとDIYで建てたというお話だが、とても温かみがあってゆったりとした雰囲気を感じる作りだった。
この場所で、稲刈りや餅つきなどの田舎体験イベントや、ミュージシャンを呼んでのイベントも行っているとのこと。楽しそうに語る小野寺さんを見てると、彼の人柄がこの農場の雰囲気や鶏たちに映しだされているのだなと感じた。
ツアーを締めくくる素敵ディナー
今回のツアーの最後を締めくくるのは、福岡にあるワインレストラン「クロマニヨン」でのディナー。自然派ワインと、身体に優しい素材にこだわったお店だ。
店主の計らいで、今回巡ってきた作り手さんの食材も使った特別コースを用意していただいた。手書きでつくっていただいてとてもありがたい。
このお店はワインの紹介の仕方が独特で、通常ワインと言えば産地とブドウの品種で語られることが多いが、ここはワインの作り手のお話から入る。それも、その作り手のパーソナリティから入る。例えば「このワインは、神経質なお兄さんが…」とか「これは、髭を生やしたおじいさんが…」といった具合だ。それから味の話に入る。人物像を聞いているからか、どんな味がしそうか想像がひろがっていく。
美味しいワインに、美味しいお料理。店主も自ら、様々な作り手の場に足を運んでいるだけあって、素材の味の引き出し方が上手。昨夜のBBQとはまた違った食の楽しみを、みんなで感じることができた時間になった。
モダンな食と農はここからはじまる
1泊2日という短い期間だったが、発見と驚きの多い濃厚な時間を過ごすことができた。今回訪問した作り手の方たちは、代々続いている農家ではなく、前職があり、何かしらのきっかけがあって作り手への興味を持ち、自らの信念をもって切り開いていった人たちだということ。既成概念にとらわれず、また単純に自然へと傾倒するのでもなく、自分たちが良いと思ったものを信じて取り組む。そのひたむきな力強さと、それを表に出さない穏やかさが印象的だった。
日本のモダンな食と農はこういうところから生まれていくのだろう、ということを感じ取れた旅だった。
(前篇はコチラ)
(文責:松澤巧)
Information
■旅をする木(養鶏)
代表:小野寺睦
所在地:佐賀県佐賀市三瀬村藤原39-2
TEL: 0952-56-2181
■クロマニヨン(ワイン・フレンチ)
代表:市村大輔
所在地:福岡県福岡市中央区大手門1-9-31
TEL: 092-406-7487
定休日:水曜日
ウェブサイト
Special Thanks
おとよんプロジェクト
牛乳とチーズと、玉子焼きとサラダ。シンプルだけれども一つ一つに滋味がある、とっても美味しい朝食。元気いっぱいになって、今日の目的地に向かう。
里山の鶏と田んぼ
向かった先は、佐賀県佐賀市三瀬村にある養鶏を営む「旅をする木」。山を登っていき棚田の横を抜けていった先に、そこはあった。農場主である小野寺さんに出迎えていただき、お話を伺う。元々、サラリーマンをしていて九州に移り住み、地域の人と触れ合っていく中で自然とそこでの暮らしに惹かれていったと言う。
鶏舎を見せていただくと、ここも平飼いをしていて鶏たちが元気に動きまわっていた。卵を産むための小部屋があり、そこから顔も覗けるようになっていた。落ち着いて卵を産めるようにということらしい。
そして、卵を見せていただく。とても美しい。添加物や遺伝子組み換えなしの原料を自家配合した餌を与えているという。卵もあえて洗浄せず、元々の生命力を活かした方が長持ちするとのことだった。
田んぼのいきものと戯れる
無農薬の田んぼがあるとのことで、草取りをお手伝いすることに。田んぼに行くと水がすごくクリアで、おたまじゃくしやイモリがたくさんいた。イモリはひっくり返すとお腹が赤く、アカハライモリという種類だそうだ。
小野寺さんに、草取りの作戦を教わる。雑草は水中に生えているので、一本一本抜くのではなく水中の土をかき混ぜることで、浮かせていこうという狙いだ。皆で横並びになって、かき混ぜながら前進していく。裸足で感じる土のぬかるみは、最初は気持ちいいと感じつつも、歩を進めていく度に足取りが文字通り重くなってくる。これは確かに重労働だ。
土をかき混ぜると水中が濁り、何事かとおだまじゃくしたちが逃げ惑っていく。「ごめんね〜」と言いながらも、ちょっと楽しかったりする。振り返ると、濁った水面に根をさらけだした雑草が浮いている。それを見て、多少の達成感を感じる一同であった。
作業を終えてランチを食べた後に、小野寺さんの宿舎を拝見する。仲間たちとDIYで建てたというお話だが、とても温かみがあってゆったりとした雰囲気を感じる作りだった。
この場所で、稲刈りや餅つきなどの田舎体験イベントや、ミュージシャンを呼んでのイベントも行っているとのこと。楽しそうに語る小野寺さんを見てると、彼の人柄がこの農場の雰囲気や鶏たちに映しだされているのだなと感じた。
ツアーを締めくくる素敵ディナー
今回のツアーの最後を締めくくるのは、福岡にあるワインレストラン「クロマニヨン」でのディナー。自然派ワインと、身体に優しい素材にこだわったお店だ。
店主の計らいで、今回巡ってきた作り手さんの食材も使った特別コースを用意していただいた。手書きでつくっていただいてとてもありがたい。
このお店はワインの紹介の仕方が独特で、通常ワインと言えば産地とブドウの品種で語られることが多いが、ここはワインの作り手のお話から入る。それも、その作り手のパーソナリティから入る。例えば「このワインは、神経質なお兄さんが…」とか「これは、髭を生やしたおじいさんが…」といった具合だ。それから味の話に入る。人物像を聞いているからか、どんな味がしそうか想像がひろがっていく。
美味しいワインに、美味しいお料理。店主も自ら、様々な作り手の場に足を運んでいるだけあって、素材の味の引き出し方が上手。昨夜のBBQとはまた違った食の楽しみを、みんなで感じることができた時間になった。
モダンな食と農はここからはじまる
1泊2日という短い期間だったが、発見と驚きの多い濃厚な時間を過ごすことができた。今回訪問した作り手の方たちは、代々続いている農家ではなく、前職があり、何かしらのきっかけがあって作り手への興味を持ち、自らの信念をもって切り開いていった人たちだということ。既成概念にとらわれず、また単純に自然へと傾倒するのでもなく、自分たちが良いと思ったものを信じて取り組む。そのひたむきな力強さと、それを表に出さない穏やかさが印象的だった。
日本のモダンな食と農はこういうところから生まれていくのだろう、ということを感じ取れた旅だった。
(前篇はコチラ)
(文責:松澤巧)
Information
■旅をする木(養鶏)
代表:小野寺睦
所在地:佐賀県佐賀市三瀬村藤原39-2
TEL: 0952-56-2181
■クロマニヨン(ワイン・フレンチ)
代表:市村大輔
所在地:福岡県福岡市中央区大手門1-9-31
TEL: 092-406-7487
定休日:水曜日
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- 2014.08.28 Thursday
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